インプロセッションの會
即興セッションの会についてのお知らせです
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DATE: 2012/07/12(木)   CATEGORY: 未分類
7月 照明研究会×インプロの會 備忘録
7月のインプロも先月に引き続き、神戸、新長田のダンスボックスでの照明研究会に便乗させていただき、劇場でのセッションとなった。

スケジュールも前回と同様、昼間に照明さんとの実験をし、夕方からは照明、ダンス共に即興でのセッションをする。

今回の実験では、照明さんから予めいくつかの照明パターンを提示してもらって、その明かりの中でどのように踊るかという、照明さんからの挑戦状を受けてダンサーが踊るという方法を試みる。

5パターンのそれぞれ特徴的な明かりで、1つのパターンに対して5~7分間踊る。ダンサーは8人集まったので2グループに分かれ、同じ明かりの条件で交代して踊り、見る側にもまわる。なので実験は全部で10セット行った。踊り手としては、自分が明かりの中にいたのでは把握できなかったあたり方、その効果を客観的に見ることもできたのでとても有り難い。

【明かりのパターン5つ】

1…センターに丸いサスが一灯 しばらくするとそれが広がり、円形はぼんやりする。
2…上下の四つ角、足下の灯体から対角線の光が出ている。全部ついていることもあればどれかが消えたりもする。
3…無色の明かりからブルーの明かりへ変化する。
4…模様(木漏れ日のような)の入った明かりがついたり消えたりする。  
5…かなり限られたエリアだけを照らす明かり2種。ドアくらいの幅のものと腰より下だけを照らす明かり。明かりは大黒にあたっている。

1のセンターに丸いサスが入っている状態は、まずその明かりの中にずけずけと入っていけない感覚があり、はじめのうちはその周りをまわったり、手や足だけを明かりの中に入れてみたり、慎重に触れていくようなところが2グループ共に共通していた。明かりの入っている円形のエリアが、湖、水たまりのように感じる、といういくつかの共通する意見もあった。明かりの中に入るというより、物質に触れにいく、浸すという感覚。完全に中に入ってしまうとその感覚は薄れ、円が広がり明かるいエリアが広がると、それまでの物質感から明かりは場を照らす「明かり」という認識に変わった。それに比例してダンサーの動きの質も変化していく。局所的な明かりの入っている間、そこにあらわれる人物はドラマティックに見え、動きはダンスというより行為という見え方をする傾向にあった。実体ではないが、丸い光に手を伸ばす、は「触れようとする」具体的行為として、翻訳可能なものであるためだと思われる。明かりが広がると、空間のなかの運動体の分布、動きのなかでの関係自体が浮かび上がってくる。

2では上下4つ角の足下の灯体から対角線の光が出ている。この光線によって導線を作られる、というか光の方向に動いてしまう、それを動きの動機にしてしまうという傾向が特に強かった。一方のグループでは這う動きが多くみられた。エリア内にいて灯体に近づくと、まぶしさ、灯体自体の持っている熱という体感からのフォルムやムーブメントが生まれることもあった。

3、4のブルーの明かりが入るものと模様が入るものは、エリアを区切ったり導線を作るのではなく、空間全体にあらわれるので、踊っているのを見ていると、明かりの変化の作用より、ダンサーたちが自発的に生んでいる関係性を見ているという感じが強い。模様、特に色が入ると否応なく雰囲気を大きく変えてしまうが、ダンサーたち自身がそれに自覚的なこともあり、雰囲気に引っ張り込まれない状態が維持されていた。でもブルーが入ると心境的には動きを静めたくなるという傾向はやはりある。青のもつ心理的効果は踊る側にも見る側にもあるのではないだろうか。きっと赤も同じく、この2色は特に。
模様は今回特に具体的な柄ではなく、木漏れ日のような、まだらな光だったがこのまだらに対しての応答というのはやっていて最も掴みにくいものだった。模様が入ったときと消えているときの差をあまり感じられなかった。

5限られた範囲を照らす明かり2種。2グループのうち一方は大黒、一方は大黒をなくして白壁で行った。白壁だと影がくっきりと出る。ひとりのダンサーが光のなかに入ったところからはじまり、客席を背にして壁面の影に正対して立ち、自分の影を見る、影を動かす踊り。そこに他のダンサーが重なる。
行ったり来たりする足、時々あらわれる顔や腕、光があたっている部分だけ切り抜いたように見える。


実験を終えて休憩後に即興セッション。新長田のお好み焼きは安くておいしい。300円でお腹いっぱい。

夕方からのセッション。30分を2セット。実験で使った5パターンの照明をミックスして、オペレーターは途中交代される。ダンサーは出入り自由。
暗転になり、まず明かりが入る。しばらく誰も入らず明かりだけが少しづつ変化する。セッションが終わったあとにダンサーから、その誰もいない舞台上の明かりを見ている時間が良かったと、いう意見があったが、確かそうで、まず自分が入って何かすることより、舞台のふちから舞台を見ているところから始めることを選んだ。

演劇をやってる女子大生たちが見学に来ていて、一回目のセッションを見たあと、こんな複雑なこと即興でやれるんですね、といった。それにあるダンサーが即興だからできるんだよ、と答えたのが印象深かった。確かに、個々が他者の意思に統率されない状態で、再現することを念頭に置かずその場での反応で動いているのだから、同時多発的に場には何がしかが起こり続け複雑化する。それが混沌に陥るか、おもしろさ豊かさに繋がるかは、ダンサーたちがどのような意識をもって絶え間ない選択、反射、反応に身を置いているかによる。

セッションは基本的に無音で行っているが、後半、息や声や手拍子のリズムがところどころで生まれていた。音、リズムがほしくなるという体の反応、場に必要な要素が自家発電されているという感じが良い。
最後のセッションでは女子大生たちがセッションに参加してくれた。即興のセッションに参加するのははじめてだそうで、歩いて通過する、立ち止まる、さらにこけたり、そこに台詞が発生したりと、ダンサーとは違うやり方で徐々に展開していく。ダンサーと動きをシェアする場面もあった。セッションにはフィリピンから来ているダンサーが3人参加してくれていて、彼女たちからも言葉が出てくる。ユーモアも生まれる。
ふとシチュエーションを設定せずに即興で台詞をやり取りするとどういう会話になるのかやってみたいと思った。


今回で照明研究会との企画は一段落で、来月からはまた京都でのインプロの會に戻ります。
明かりとのセッションをして感じたことは、一般的な舞台での照明さんとの作業のように、上演されるものへのプランを立ててもらうのでなく、まず明かりが先行してあり、それに対してどう踊るかという、逆転した関わり方のおもしろさでした。
劇場で、明かりとのセッションという贅沢な機会にお誘いいただいた三浦あさ子さん、ダンスボックスの皆さま、ご一緒させていただいた皆さまに感謝し、今回の経験をそれぞれの今後に活かせることを願いつつ、備忘録として残します。





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